第70回全日本キス選手権大会
優勝の記
全日本サーフキャステイング連盟
兵庫協会 和田宮サーフ 坂井 廣
やった!ついにやりました、念願の全日本キス選手権大会制覇!
全日本サーフに入ってこれを最大目標に頑張てきました。本当に嬉しい!
平成11年度全日本キス選手権大会が6月20日、全国61会場5000人を越えるエントリーの中開催されました。全キャスターがこの大会の優勝を最大目標に釣り技術の向上、体力・気力を充実して挑戦していますが、私もその一人、先輩諸氏のご指導の元、毎年挑戦してきました。本大会の優勝魚ならびに上位入賞魚の実績場は静岡県、島根県、長崎県、五島列島、対馬、愛媛、高知の西岸、鹿児島県に限られ、これらの釣り場の共通点は
こうした条件から、35年間キスを追って通い続けた鹿児島県志布志会場内之浦町にエントリー。
志布志会場の入賞率は常に全会場のトップで、大ギスの確率は全国一。
しかし、2位が2回出たものの、不思議と優勝が出ていない。人工衛星の水温分布データを取り寄せると、志布志湾は例年より水温が若干低め、食いが渋い可能性が有るため、今年効果があった秘策を元に対策を立てる。
内之浦は2キロに及ぶ長い海岸線が主な釣り場、例年2〜3ヶ月は内之浦暮らしをしていたので、ポイントは熟知しているが、今年は例年30cmオーバーが確実に出る海岸の北側、製材所裏に入る事にした。
キスは海岸の南側から回遊し、海岸に平行に北に向かい、北の端でUターンして又、南に戻る。
従って、広い海岸のどこでも2回はチャンスが有るが、北の端はUターンする分、滞在時間が長く有利。
内之浦の従兄弟に頼んで、ポイント付近の海底のデータを魚探で探ってもらい、海底地図を作成する。
80m沖合いまで、かなり急に深くなり、突然浅くなる海底地形。駆け上がりの底がポイント。
100mほど投げて、20mほど手前に寄せて、ポイントに引き落とす事にする。
今年は何としても優勝をと気合を入れて、まず、自分にプレシャーをかける。
しばらく釣りから遠ざかっていたため、2ヶ月前から土曜は午前3時から午後10時まで、明石海峡大橋下のアジュール舞子でトレーニングを続け、体力と気力を養う。2回目で足腰、腕の筋肉の痛みが取れ、2ヶ月後には必要な筋肉が付いてくるのがわかる。
1ヶ月前からイメージトレーニングに入る。「優勝」の二文字と良く釣れた時のイメージを頭に刻み込む。
最後に優勝のための「超秘策」を胸に気合十分で、6月19日16時10分発で大阪空港を出発。前夜はスケジュール調整の失敗で徹夜をしたため、飛行機の中で1時間ほど熟睡。
鹿児島空港でレンタカーを借り、18時出発。内之浦までジャスト100キロ、2時間半の行程。夕食を取り、20時内之浦着。早速コスモピアの温泉に入り、汗を流す。300円也。
会場責任者の飛幡サーフ大石会長に2年ぶりにご挨拶。
初回から参加しておられる、呉投友会の山城さん、千葉サーフの戸倉さんと旧交を温める。
2時から大石会長の点呼と注意事項を伺い、今年こそ優勝魚を出しましょうと励ましあい、午前2時30分釣り場へ出発。内之浦にはめずらしく、快晴。
目的の海岸北の端の製材所裏に三脚を立てる。今日の仕掛けはハリス5号、カレイ針12号の標準的な2本針仕掛け、超大物が来る事が有るので、道糸も5号、エサは韓国産マムシ(ホンムシ)。
内之浦ではマムシ以外使った事はない。3本の竿は常に置竿にしている。引き釣りはしんどくて性に合わないので、した事がない。
1本は60m、後の2本は予定通り、80mラインに落とし込む。ベールを完全フリーにして、道糸を竿にかけた輪ゴムで借り止め。mambooの釣れる日のキスを見ると今日は小潮の一日目、ベストの日とは言い難く、水温が低いのと合わせて、食いが渋いのを見越して、エサは針一杯にし、垂らしを1cm程にする。冷たい風が吹いて、寒く、ウインドブレーカーを着る。こんな寒いのは始めて。竿を出し終わったのが3時10分、mambooで見る時合は4時から4時50分となっているので、しばらく時間が有る。
モゾモゾとしたアタリで、内之浦名物海蛇が5匹ほど続く。
午前4時いよいよ時合と気合を入れると、ラインが輪ゴムから外れて勢い良く出て行く。キスにしては力強すぎると、合わせ、巻き上げると右に左に走る。シマイサギ(コトヒキ)と直感、30.6cm。
4時16分、続いて小さなアタリ、ラインは輪ゴムから外れない。1回目のアタリを見逃し、1分後に2回目の小さなアタリ、これも輪ゴムからラインが外れない。小型キスかなと巻き上げるが、抵抗もなく軽く上がってくる。
月のない真っ暗闇の砂浜に白い姿がぼんやり浮かぶ。
ヘッドライトを当てるとキスのダブル。一つは20cm前後、その下に、見た目35cmは有りそうな大ギスが付いている。あたふたとメジャ−を取り出し、計ると33.2cm。
「優勝」の二文字が頭をかすめる。
真っ暗闇の中でただ一人恒例のバンザイ三唱。その後46cmのエソのみで夜明けを迎える。
11時頃の2回目の時合に期待するも、その後はまったくアタリもなく、手前の駆け上がりで、数合わせのピンギスを4匹ほど釣って、11時半納竿。例年なら夜明けまでにランク物2〜4匹は上がるのに、今年はまったくのワンチャンス。このワンチャンスを物に出来たのは本当にラッキーでした。
正午に検寸してもらうと32.4cm。他の有力会場に電話で確認すると、これが最高寸法のようである。
少し、期待感が高まる。この会場では飛幡サーフの大石さんが31.3cm、北九州投好会の小谷さんが29.1cmと優秀な成績でしたが、23cm以上のキスを釣れなかった人も多く、今年のキスは不調で、1匹釣るのにどなたも苦労されたようでした。
例年30cmオーバーを上げる呉投友会の山城さん、千葉サーフの戸倉さら達名人も苦戦したのですから、今年はやはりキスが少なかったのでしょう。
検寸の後、温泉に入って、横浜から参加された伊豆サーフの今村さんと歓談。空港までご一緒して、食事をする。今年の全日本カレイ選手権は今村さんにご案内していただいて、石巻会場で参加する事を約束してお別れする。
審査結果は6月26日土曜日に兵庫協会中居事務局長より優勝の速報があり、思わず一人でバンザイ
三唱。32.4cmで私が優勝、2位は32.0cmでした。
待望の優勝、それなりの努力はしたもの、やはり最後は運が左右し、「超秘策」が効を奏した感じ。
「超秘策」とはゑびすさんが鯛を釣っている神社のお守り。
キスの代わりにマダイばかり釣れた夢を見たが、優勝魚を釣り上げ、本当に霊験あらたかでした。
プロジェクト運営をされた皆様本当にご苦労様でした。お礼を申しあげます。
![]() 優勝魚の実寸32.4cmのキス |
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